チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35

ドラマ、リバーサルオーケストラもいよいよ大詰め。解散・存続をかけた定期演奏会です。この演奏会の目玉は門脇麦さん演じる天才ヴァイオリニストがソリストを務めるチャイコフスキーの名曲ヴァイオリン協奏曲。

子供の頃の辛い思い出のあるこの曲、無事に演奏することはできるでしょうか?そして田中圭さん演じる指揮者との恋の行方は?そして玉響は?

チャイコフスキーってどんな人?

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは言わずと知れたロシアの作曲家。1840年に生まれて、幼い頃からピアノを習い音楽に親しんでしました。ですが親の意向で音楽の道に進むことができず、法律学校に進みます。卒後は公務員として法律関連の仕事につきます。

しかしその後、音楽の道を諦めきれずに公務員の職を辞してペテルブルグ音楽院に進学します。

音楽院を卒業した後は音楽教師を務めながら作曲家としても活動します。彼が残した曲は、くるみ割り人形や白鳥の湖にようなバレエ音楽が有名です。他にも交響曲、弦楽合奏曲から宗教曲まで多岐に渡ります。

流麗な中にもメランコリックさが漂う独特の旋律は、とても耳馴染みがよく、つい歩いてる時に口ずさんでしまったりします。

一説によれば、チャイコフスキーは同性愛者であったという説が有力なようです。彼の音楽から感じる独特の感性や繊細さはそういった個性からくるものでしょうか。

チャイコフスキーは1893年に53歳の生涯を閉じます。死因は生水を飲んだことによるコロナ感染であったと言われています。

ヴァイオリン協奏曲

ヴァイオリン協奏曲は、チャイコフスキーが37歳の1877年作曲しました。

チャイコフスキーは、同じ頃にバレエ音楽「白鳥の湖」の作曲を行なっていますが、この時期は8歳年下の妻との結婚がわずか1ヶ月くらいで破綻した直後でした。この頃は自殺を図るほど精神的に追い詰められていた時期でした。短い期間ではあったものの結婚生活に消耗し、スイスやイタリアで療養をしていました。この時にラロのスペイン交響曲に着想を得て、わずか10日あまりでヴァイオリン協奏曲を作曲しています。

今でこそチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスと並んで「四大ヴァイオリン協奏曲」と称されています。でも作曲当初は演奏不可能として初演を断られたりしました。

チャイコフスキーがヴァイオリンコンチェルトの初演を依頼したのは、ペテルブルク音楽院教授だったレオポルト・アウアーでした。しかしアウアーはこの曲を演奏不能、として初演を断ります。

結局ヴァイオリン協奏曲は、作曲から3年が経過した1881年ウィーンフィルハーモニー管弦楽団とロシア人ヴァイオリニスト、アドルフ・ブロツキーにより初演されます。

ですがこの演奏もあまり評判が良いものではありませんでした。しかしブロツキー初めその後の音楽家たちの活動によりこの曲の真価が認められ、前述のように「四大ヴァイオリン協奏曲」と言われるようにまでなりました。

編成

  • 独奏ヴァイオリン
  • 木管楽器:フルート(2)、オーボエ(2)、クラリネット(2)、ファゴット(2)
  • 金管楽器:ホルン(2)、トランペット(2)
  • 打楽器:ティンパニ
  • 弦楽5部:第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

構成

3楽章構成

  • 第1楽章:アレグロ・モデラート
  • 第2楽章:カンツォネッタ・アンダンテ
  • 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァッチシモ

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チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

チャイコフスキーはヴァイオリン協奏曲を作曲する2年前の1875年にピアノ協奏曲第1番を作曲していますが、この曲も初演を依頼したニコライ・ルビンシュタインには受け入れてもらませんでした。その後ハンス・フォン・ビューローによって初演され、大成功をおさめます。よほど難しかったんでしょうか。(もちろん激ムズですよ)

初演依頼者に断られるつながりでピアノ協奏曲第1番をどうぞ!

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